コロナショックで、景気がわるくなった。これは誰でもわかるよね?
2020年2月は株が暴落した。
当たり前でしょ。
人、金、物が動かなくなって、リアル店舗は大打撃よ。
倒産もたくさんでてきているでしょ。
うん。深刻な事態だね。
アメリカでは、景気がわるくなりすぎるのを止めるために、2020年3月15日、FRBが政策金利を1%引き下げ、年ゼロ%~0.25%とすることを決定した。
むずかしい。ちゃんと説明して。
まずFRBっていうのは、アメリカの日銀で、いわば銀行の親分みたいなところ。そのFRBが、金利をさげたんだね。
ちなみにFOMCというのはFRBが定期的に開く会合だね。
金利がさがると、会社や個人はどうするだろう?
「利子があまりとられないんだから、金をかりて、いろいろやろう」となる。
会社なら「金利(=利子)がひくいんだから、どんどんお金をかりて、新しい工場をつくろう」となる。
個人なら「金利(=利子)がひくいんだから、どんどんお金をかりて、投資したり、あたらしい事業をはじめよう」となる。
そうか。たしかに、利下げすると、お金がまわりだして、景気がよくなるね。
そうだね。
そして景気がよくなりすぎると、今度はみんながお金をかりすぎて、返しきれない借金やローンをしてしまう。
だから、景気が高騰しすぎたら、FRBは・・・
利上げをして(利子をおおくとる)、ひきしめて、会社や個人がお金をかりにくくするっていうことね。
そういうことなんだ。
2020年、FRBはいっきに1%も利下げをした。いつもなら利下げ幅は0.25%で、0.5%でも多いという感じなんだ。それが一気に1%をさげたということは、アメリカの緊迫した状況がわかるよね。
そうかー。いっきに1%下げるって、まれな事だったのね。
うん。そして、これで政策金利は0~0.25%となり、ゼロ金利となった。
その時点でFRBは景気を調整する武器として利下げという選択肢がもう使えなくなったんだ。
さて2020年から約2年たって、2022年1月26日にFRBは今度は利上げするって発表したわね。
そうだね。金利が上がると会社は借りている資金の利息が増えて収益がへる。 だから会社は新たな借金をしようとはしないし、事業は縮小する方向に向かう。そうすると売上げが減って株価は下がるね。
2022年5月4日FRBは政策金利を0・5%幅引き上げると決めた。ふつう政策変更は0・25%幅が一般的だ。今回の一気に0・5%幅で利上げするというのは22年ぶりになる。
米国内の物価上昇(インフレ)の抑え込みを最優先にしたいようだね。
インフレ?金がジャブジャブになっても株価があがればいいじゃないのさ。
いやいや今回は悪いインフレなんだ。
コロナでお金をどんどん刷った → 市場にお金があまる → 株やコモディティ投資に金がまわる → 原油など高騰(おまけにウクライナ危機もあったため) → 原油がたかくなるとすべてのものが高くなる、なぜなら生産にはエネルギーが必要だから → たいして経済成長してないのに物価が高騰するスタグフレーションの危機がせまった
という訳なんだ。