「君のお金は誰のため」を読んで

きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 [ 田内 学 ]

価格:1650円
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厨二、年上のバリキャリOL、謎の大金持ちの好々爺・・・、登場人物がよくある設定すぎて安っぽく感じて読む気が減退するが、50ページほど読むと引き込まれていく。

理系の俺でも、賞味4-5時間で読めた。

ビリヤード台の玉と同じで、国単位でみれば、お金は移動はするものの減りもしなければ増えもしない。

わたしたちは、地球上にある資源からしか価値を生み出せないのだから、お金の価値の正体は究極的には地球上にある資源だ(労働力も、人間から生まれるもので、その人間も大きな意味で地球上の資源である)。

結局、当たり前の常識にちかづいていく。

お金を増やしても意味がない、なぜならお金によって動いてくれる人がいなければお金をもってても意味がないから。

お金がお金を生むことはない、お金は必ず何かの交換に使われていて、そこに価値が生まれる。

労働して、誰かの役に立つことしか価値をうまないわけで、その価値の交換のためにお金がある。

このように一つずつ確かめると、今の日本社会の問題が理解できてくる。

性差別をするつもりは全くなく、あくまで経済的に考えると日本が行き詰っている理由は明らかなのだ。

「成人が社会に最大の価値を生み出すのは、ほとんどの場合、女性に出産育児をしてもらうこと」ということ。

女性は出世できないと主張しようとか、身体的な理由で産めない女性を蔑むつもりは全くなく、いいたいことはこの一文のまま。

大人の男と女がいる国で、その国の価値をあげようとするなら、「女性に出産育児をしてもらうこと」がキーであるということだ。

女性は子を生む機械といった政治家がいたが、言い方がよろしくない。

男女ともに、「女性に出産育児をしてもらうこと」の優先順位をあげて考えて、そういう女性をうやうやしくサポートしなければいけないのだ。それは男性差別ではなくて、ある国の価値があがる最大要因のひとつなのだから。

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